住まいの健康と木の家

木の家にとって湿気は大敵!
住まいの耐久性、丈夫で長持ちする家をつくるため
には、木が置かれる場所、特に床下などに湿気を
持ち込まない、木を腐らせない工夫が大切です。
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木はなぜ腐る?

「木はなぜ腐りますか?」と質問をすると、「水に濡れて」と答える回答が圧倒的に多く返ってきます。一面では正解かもしれませんが、水に浸かっている木は、実は長持ちし、腐らないのです。何千年の地中に埋まっていた(地下水の中にあった)丸木船が原型をとどめたまま発掘される事や建築用材の丸太を川に浮かべ保管する木場、木は濡れたから腐るわけではなく腐朽菌の繁殖が原因で木は腐ります。腐朽菌は湿気や空気、木の養分のどれか、ひとつを取り除ければ繁殖できません。
丸木船が何千年も腐らず発掘されるのは、土中の水分が空気を遮断していたからです。住まいに使われる柱や土台、梁などの構造材を長持ちさせるために、空気や木の養分を取り除く事は不可能ですが、湿気を湿気を取り除くことは可能です。湿気を寄せ付けない工夫のある建物の耐久性が高い事は、通気性を重んじて建てられた日本の伝統的な木造建築が何百年と現存している事からも理解できます。

ヒノキ普請の家は本当に丈夫で長持ちするのか?

ヒノキは耐久性に優れ腐朽菌に強く建築用材として優秀な木ですが、ヒノキと言えども腐らないわけではありません。腐れが進むと木は強度を著しく落とします。阪神大震災や新潟中越沖地震などで倒壊した建物に柱や土台の腐れが原因だった建物が多く見られました。建物を長持ちさせ、建物の強度を保つには床下や天井裏、壁の中の湿度を適度に保つ工夫がより大切です。湿気に弱いとされる栂材の柱や土台であっても腐朽菌の生えない条件を整えれば木は年数とともに強度を増し建物は長持ちするのです。

床下の改善なくして建物の耐久年数は30年程度?

カビ臭く、湿気の多い床下を探すのは簡単ですが木にとって条件の良い床下を探すのは大変な事です。床下換気口や基礎パッキンを通して外気を床下に取り入れている限り油化したの湿気やカビを取り除く事は不可能である。風のある雨の日は換気口から床下に雨水が入り床下は水浸し、外気は不連続で決して条件の良い空気ばかりではありません。入梅時や雨の日の湿度は100%に近く、その空気を床下に入れている限り木にとって条件のいい環境に改善する事はできません。工夫のない布基礎やベタ基礎ではヒノキの柱や土台を使用したとしても土台や柱の根元から痛み建物の耐久年数を損ないます。木造住宅の耐久年数を延ばすには床下の環境を改善することが最重要です。

木の寿命と建物の耐用年数

工業製品は作られたときから劣化がはじまりますが、木は伐採された後、育った期間の倍以上強度を増しながら生き続けると言われています。法隆寺の用材を例にすると伐採後200〜300年間は強度を増し続け、その後徐々に強度を落とし1000年に経って元に戻ると言う事です。何百年も経った木をカンナがけすると元の木の香りがします。木が何百年も生きている証拠です。法隆寺などの社寺建築物が長い間現存しているように、木像建築は木を腐らせない工夫次第では鉄骨造やコンクリート造の建物より数段長持ちするのです。

木の断熱性と調湿性

木の熱伝導率は、約0.13kcal/u・h℃でコンクリートの14倍・鉄の380倍もの断熱性能があり、湿気の多いときにその湿気を吸収し、乾燥すると放出すると言う調湿機能や熱を蓄える蓄熱性も備えています。これらの木の特性が木造住宅の住み易さを作り出しているのです。

木の不思議とアロマテラピー効果

木の精油分には樹種によって、抗菌、殺菌、シロアリ隠避、芳香性などの有効な成分が含まれています。これらの成分の特徴を活かし、茶箱やおひつ、すし桶、まな板、棺桶、酒樽などに利用されます。また森林浴で知られているフットンチッドは木の伐採後も発散し続け、自律神経の安定や肝機能を改善させるなどの特性を備えています。リラクゼーションの一つの方法にアロマテラピー(芳香療法)がありますがアロマテラピーはエッセンシャルオイル(精油)の香りを嗅ぐことで精神をリラックスさせ、身体機能を高め脳を刺激し内分泌系自律神経、免疫性を活性化させる働きがあり、木の香りを抽出した様々なエッセンシャルオイルも商品化されています。また、睡眠時のα波を増加させ、疲労回復やストレス緩和などの効果を促進すると言う研究結果も出ています。

木と鉄とコンクリートの飼育箱の生存率

子マウスの生存率
木製・鉄製・コンクリートの3種類の飼育箱で10組ずつマウスを飼育し、子供を産ませた実験飼育の結果によると、外気温30℃で飼育した場合にはあまり変化はないものの、外気温が25℃近辺になると木製の飼育箱の生存率90%に対して、鉄製の飼育箱では50%、コンクリート製の飼育箱では4〜5%の生存率と言う実験結果が報告されています。同じ温度条件でも箱の材質により体温が奪われる度合いが違い、その度合いに応じ生存率が異なります。また子供の発育、特に内臓の発育に違いが現れると言う結果も報告されています。木の持つ保温性、弾力性、調湿性、諭し効果などから子供の発育のため近年木造校舎に建て替えられる事例が増えています。以上のマウス実験からも、木は住宅素材として最も適した素材だと言えるのではないでしょうか。

木は鉄やコンクリートより強い?

材種別単位重量辺りの強度
木は鉄やコンクリートと比べて圧倒的な強さを示します。引っ張りの強さは、同じ重さの鉄の4倍、圧縮強さはコンクリートの9.5倍の強さがあります。木は鉄やコンクリートと比較して圧倒的に軽いので(地震力は自重に加速度を掛けて現す)。同じ規模の建物を造るとき軽い建物ほど地震の揺れの影響が小さく、木は単位重量辺りの強度が鉄やコンクリートよりも大きく、同じ規模の建物で比較すると、木造の建物は鉄筋コンクリートや鉄骨造の建物より軽い分、地震の影響も少ないのです。

火災の安全性・木と鉄

加熱による強度低下グラフ
木は燃えると表面から炭化し、この炭化層は、それ以上燃え上がる事を抑える働きをします。この炭化層のお陰で木は内部に熱を伝えにくい性質を持ち、表面からゆっくりと燃えていきます。木の燃える速度は1分間に0.6oから0.8oで、30分で18o〜24o程度しか燃えません。木が燃料として優れているのはこの燃える速度が遅いため長時間火種が残り炭化した状態でゆっくり燃え続けるからです。木造の建物の構造材が強度を落とし、崩れ落ちるまでには相当の時間がかかります。熱伝導率の高い鉄は熱変形で急激
な強度低下を引き起こす事から、鉄骨造の建物は火災の火が廻ると同時に構造材の強度が低下し、建物の重量を支えきれず変形し崩れ落ちます。同じ木で作る建物も2×4工法や木質パネル工法の建物は3.8×8.9程度の細い材料を主体構造材とし構築する事から、柱や梁で支える木造軸組工法の建物に比べれば、より速く燃え落ちる事になります。

木の豆知識

----ヒノキ(針葉樹)-----
●木肌は黄白色で緻密
●独自の香気を放つ
●耐久性に優れ腐朽菌に強い
●抗菌・白蟻陰避・防ダニ効果
●用途(柱・土台・建具・床材・下見板)
----杉(針葉樹)--------
●赤みと白太がはっきりした木
●素直で軽く、粘り強く加工しやすい
●用途(柱・梁・天井材・床板・建具・家具・酒樽・桶・箸)
●土台には赤みの心持ち以外は不向き
----ヒバ(針葉樹)-------
●木肌は黄白色で緻密
●特有の強い香りを放つ
●ヒノキと同等の強度を持つ
●殺菌性のヒノキチオールの含有率が多く腐りにくく白蟻や腐朽菌に強い
●用途(土台・柱・濡れ縁・浴室)
----松(針葉樹)--------
●強度が高く梁に最適
●エゾマツは白く目の詰んだ素直な木肌が好まれ内装材に使われる
●ヤニを含む
●用途(梁・内装材・下地材)
----ケヤキ(広葉樹)-----
●黄色身を帯びた艶があり木目に美しさがある
●硬く強度があり、耐水性、耐朽性に富む
●用途(框・床の間等の化粧を重視する部分・床材・大黒柱・座卓・テーブル)
----栂(針葉樹)--------
●木肌は白く木目はやや密
●用途(防腐処理土台・柱・梁・母屋・垂木・造作材)
●水にあまり強くない
----モミ(針葉樹)-------
●木肌は白く木目が通り独特の香気を放つ
●抗菌、防臭、防虫性に富む
●用途(壁材・床剤・おひつ・すし桶・茶箱・棺桶)
----桐(針葉樹)--------
●軽量で熱を伝えにくく燃えにくい
●水分の吸放湿効果が大きい
●用途(タンス・下駄箱・金庫の内箱・内装壁材)
----クリ(広葉樹)-------
●数が少なく高価
●重くて硬く粘りがある
●白蟻や腐朽菌に有効なタンニンを多く含み土台に最適
●ねじれや反りがおき易い
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